半夏生 7月2日
こんにちは。
今日7月2日は、2019年の「半夏生」(はんげしょう)です。
半夏生?小説の題名みたいなちょっと雅な名称ですね。
<雑節>の一つ「半夏生」
「節分」や「土用」などと同じように季節の変わる目安の時期を日本独自の習慣で
作られた<雑節>という暦日があります。
「半夏生」はこの雑節の中の一つなのです。
季節の変わり目としては、中国からの移入された<五節句>や<二十四節気>があり
日本でも親しまれてきましたが、雑節は農耕民族である日本人の農作業と照らし
合わせ、日本独自につくられた暦日です。
「半夏生」は、夏至(2019年は6月21日)から11日目ごろとされており、
今年は7月2日となるわけです。
「半夏生」の名の由来
「半夏生」の名の由来には諸説があるようですが、「半夏」(はんげ)は、
別名「烏柄勺」という薬草のことをさし、「半夏」の生える時期を指して
「半夏生」というのではないかと考えられています。
「 半夏生」の時期は烏柄勺の生える時期と覚えると、わかりやすいでしょう。
他説には、「半夏生」という植物があり、この植物がこの時期に葉の一部が白く
なり、白い花を咲かせ、「半化粧」のように見えるので、そこから転化して
「半夏生」呼ぶようになったとも言われてます。
「半夏生」に食べるもの
端午の節句にはチマキや柏餅、桃の節句には草餅、土用の丑の日にはうなぎなど
季節の変わり目の日にはその時期ならではの美味しく、旬のもので、体への滋養に
富んだものを食べる習慣が日本各地域々にあります。
何を食するかの習慣は、昔ですから現代のように全国どこでも同じ食べ物が食べられる状態ではなかったはずで、各地域の特産品でちょっと贅沢な食べ物だったに違いありません。
今日は、スーパーや百貨店で「たこ」を「半夏生」に食するといいですと宣伝して
大きく売場をとって販売してました。(関東地域ですが)
「半夏生」にたこを食べるのはもともとは関西の風習であったようですが、
ここ数年は流通業者の頑張りもあり、全国に広まりつつあります。
では関西で「半夏生」にたこを食べるようになったのはなぜなのでしょう?
理由はいくつかあるようです。
一つは、「半夏生」はちょうど田植えが終わる時期なので、植えたばかりの米の苗が
たこの足のように四方八方にしっかりと根を張るようになることを祈って食べた。
また、たこの足(吸盤)のように立派に稲穂が実りますようにと願いながら食べた。
農民たちの気持ちがとても表れている理由ではありますが、自説はもっと簡単な
理由ではなかったかと推測します。
関西の習慣といってもたこの産地といえば兵庫県明石です。明石たこ漁の旬は6月から
8月です。7月から8月が最盛期で、この時期に漁れる明石たこは足も太く、
身はぷりっぷりで、まるまると太った最高級のたこなのです。
一番美味しいたこを食べたい、食べてみたいと誰しも思うことでしょう。
つまり関西では旬で最高に美味しいたこを「半夏生」の名のもとに皆が食べられる
機会を作ったのではないでしょうか。
しかも、たこにはタウリンや亜鉛など栄養素がたくさん含まれて、夏の暑い、体力が
弱まる時期に栄養をつけようとした理由もあったのでしょう。
今晩は、夕涼みをしながらたこぶつを肴に一杯いきました。
たこのコリコリとした食感と旨味が最高でした。
でも買ってきたたこの産地は明石ではなく、モーリタニアでした。
一度明石たこを半夏生の時期に食べてみたいです!