続々・秋の公孫樹
こんにちは。夕方から雨が降ってきました。晩秋の雨は他の季節にはない冷たさと
寂しさがあるように思えます。雨に濡れて路上に重なる落葉もまた秋ならではの風景
でしょう。イチョウのことをみてきましたが、最後にもう1話してみます。
平和の象徴・被爆樹木
広島や長崎では、70年前原子爆弾に被爆し回りが焼き尽くされた中、その後芽を吹
いて今も生きている木々があります。「被爆樹木」と呼ばれています。
イチョウだけではなく、ヤナギ、プラタナス、クロガネモチなどがあり今も緑の葉を
いっぱい持ち生き続けています。長崎では大クスノキが有名です。およそ、何千℃と
いわれる高熱線を浴びてこの世の生物はすべて消滅させてしまい、当時70年は生命
は宿らないだろうと言われた原爆投下地に翌年新たな芽を吹き返すイチョウの生命力
に地元の人たちはいかに勇気づけらたことでしょう。
このイチョウが平和の象徴として2016年10月に海外に飛びました。ジュネーブ
の国連欧州本部にある庭園に広島への原爆投下で被爆したイチョウの種から育てられ
た苗木の植樹されたのです。苗木は5月にジュネーブでの国連核軍縮会合に平和首長
会議会長として出席した松井一実広島市長が、国連側に贈呈しました。植樹に参加し
た潘基文事務総長は、演説で「この美しい苗木は、立ち直る力と平和の象徴だ」と
強調し、核兵器のない世界の実現に向けた各国の強い結束を表す木に育ってほしいと
の願いを語りました。
困難にもめげず生きることの大切さと生命力の尊さを被爆イチョウは教えてくれて
います。