順風逆風

日々吹いている風を受けて。今を大切に思いのままに綴っていきます。

スポーツの秋

こんにちは。今日は日中も気温も下がって20度ちょっとで涼しい日和でした。

やっと秋めいてきました。

でも今年の10月10日は曇り空ですっきりしませんでしたね。

10日は以前、体育の日が固定されていました。東京オリンピックの開会式が

10日に行われたからです。

ではなぜ10月10日が開会式に設定されたのでしょうか?

それは過去の日本の気象データを集めたところ10月10日が晴れる確率が

非常に高いことがわかり、開会式が設定されました。

実に国民の願いは叶って、当日開会式の国立競技場は抜けるような青空でした。

この時のNHK実況北出清五郎アナウンサーの第1声は

「世界中の秋晴れを、全部東京に持ってきたような素晴らしい秋日和であります」

と高揚する日本人の気持ちを言葉にしました。

過去オリンピックが開催された月は4月、5月、7月、8月と北半球では暖かく

なるころから夏にかけて行われてました。

しかし、東京オリンピックでは初めて10月に開催され期待どおりの晴天に

恵まれました。このスポーツに最適の季節に行われた東京オリンピックの成功と

日本人のスポーツにおける国際的な活躍があり、その後日本中にスポーツの秋が

定着したようです。

 

剣道の大会

秋に行われるスポーツの大会はたくさんありますが、私は11月3日に

行われる「全日本剣道選手権大会」がこの季節にとても相応しく思えます。

日本で長く培われてきた武士道が今は剣道という道にその技と精神が

受け継がれています。

大会は、全国の都道府県での予選会を勝ち抜いた選手のトーナメント方式で

行われます。男子剣道日本一の選手を決める大会で、優勝者には天皇盃

授与され、最も栄誉ある剣道大会として位置付けられています。

大会はとても厳粛に進行され、出場選手は剣道の強さのみならず、武道の

精神に則った礼儀作法も求められています。

会場は日本武道館で、普段はコンサートやイベントでよく使われていますが

この大会を見ると、やはり武道館は武道が行われる場所だとつくづく感じます。

 

剣道の魅力

本大会はトーナメントであるため、負ければ終わりの真剣勝負。全国から

勝ち上がってきた剣の強者が日本一を目指して戦います。私は剣道の素人

ですから、勝負の決まる技がはっきりわかることはないのですが、立ち

会った二人が、静かに間を詰める動きや飛び込んで技を繰り出す瞬間の

気合い、激しく打ち合う竹刀の動き、音と他のスポーツとは違った

見るものを引き寄せるものがあります。

試合を見ていると、静と動、気と気のぶつかり、一瞬を見逃さない動きの

俊敏さなど剣道の奥深さの一面を見ることができ感動を覚えます。

 

剣道日本一

大会の長い歴史の中で、弱冠21歳5ヶ月で優勝した竹ノ内佑也(2014年

第62回)は大学3年生でした。脂の乗っている30歳から35歳ぐらい

の優勝者が一番多い。そんな中、剣道競技史上最強と言われたのが

宮崎正裕です。1990年27歳で初出場してから2001年まで実に

12年連続で出場し、優勝6回(内2連覇を2回)、準優勝2回と驚異的

戦績を残したのです。2連覇はそれまでだれも達成できなかった偉業を

初優勝の翌年も優勝してものの見事に成し遂げました。

彼を称して「平成の剣豪」、「剣道界の鉄人」、「努力の天才剣士」と

史上最強の名をとどろかせたのです。

 

近代西洋スポーツは、走る、跳ぶ、打つ、投げる、蹴るなどの運動能力と

点数の取り合いや時間の短さによるゲーム性の勝負事が多くの人々の

感動を生んできました。

日本古来から続く剣道は、西洋スポーツと生い立ち、歴史、勝負の決め方

など異なる点が多々あるので、同じに語ることはできないスポーツでは

ないでしょうか。

日本武道館でのこの大会は、日本武道の魅力を大いに感じることができる

秋のスポーツです。